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[ニュース] 2017.05.17

就業規則の重要性とメリット

■就業規則は、ルールブックである!

就業規則は、「会社の憲法」とよく例えられますが、簡単に説明するならば、その会社で働く際に最低限守るべきルールブックであると言えます。

しかもこのルールブック、常時使用する労働者が10名以上の会社や団体であれば、必ず作成の上、労働基準監督署へ届け出る必要があります。

でも、就業規則は正社員だけ適用を受け、パートやアルバイトは関係ないのでは?とお考えの経営者の方は多いのではないでしょうか。

また、実際にパートやアルバイトで働いている方も、自分たちには関係のないことと考えているかもしれません。

 

しかし、就業規則は、パートやアルバイトという立場であっても、適用を受けることになるのです。

パートやアルバイトは臨時的な立場だから、と労使双方ともに認識が甘いまま、馴れ合いで雇用関係を明確にしていない企業は、考えを改める必要があるかと思います。

就業規則の作成は時間・労力ともかかりますし、専門家である社会保険労務士に作成を依頼する場合はその費用もかかります。

そのため作成することはあまり意味がない、むしろコストがかかり、手間で面倒であるとお考えの経営者もいらっしゃると思いますが、実は作成することで多くのメリットが労使ともにあることをご存知でしょうか?

 

■就業規則には、メリットがある!

従業員側のメリットで言いますと、例えばお子さんが熱を出して急遽仕事を切り上げる必要が出てきた場合のことが考えられます。

もしルールが決まっていなければ、同僚に説明して、上司に説明して、場合によっては社長にも説明して…

それでも「そんなルールはない」との理由で帰宅が許されないことも往々にしてあるかもしれません。

それ以前に、どのように休暇申請を行うのかを知っている人に確認を取らなければなりません。

これは、時間がかかることだと思いませんか?

もしルールが決まっていれば、そのルールに則って手続きを行うのみ。

周りの手を煩わせることもなくなる訳です。効率が良いですよね。

「こんな時にどうすればいいんだろう」と考えること自体、負担が大きいですし、

「これで良いのだろうか」と不安に感じることもあるかと思います。

 

一方で経営者側のメリットで言いますと、会社としての経営理念や方針等を掲げ、そこから会社としての目標(ゴール)を必ず設定すると思います。

そのゴールに向けての実現のための手段として活用できるのが、就業規則であると言えます。

すなわち、経営者が掲げる想いや理念に基づき、結果の実現・達成のためにどのような過程(プロセス)を踏むか考えるはずです。

そして、それに沿った決まり事=ルールを決めていきます。

特に、人数規模が大きくなればなるほど、ルールを決める重要性は増していきます

(そうでなければ、各自が好き勝手に動き、結果の実現ができません)。

 

私は仕事柄、多種多様な就業規則を目にしてきましたが、常に感じることは、その会社の就業規則を見れば、その会社の雰囲気やそこで働く従業員の姿が想像つきますし、整備している会社ほど、その会社の業績や雰囲気、そして風通しも良いように感じます。

なにより、経営者の考え方や姿勢が理解できます。

 

以上により、経営者の想いを映す鏡でもあり、伝えるものが就業規則であると私は考えます。

もちろん、就業規則は法律に沿っていなければならず、しかも毎年のように改正するため、常にブラッシュアップしていかなければなりません。

しかし、それ以上に経営者の想いを従業員に伝えるため、そして従業員も経営者の想いを理解するため、まずはきちんと整備すべきであると思います。

 

■助成金申請には、就業規則が必要です!

経営者側にはもう1点、大きなメリットがあります。

それは、助成金の申請につながりやすくなるということです。

助成金とは、雇用保険料を原資として支給される、返済不要のお金であり、種類により支給金額は様々ですが、場合によっては数百万円単位で受給できるものもあります。

条件さえ合致すれば、会社が支給する従業員給与の一部や研修等に要する費用を賄えるなど、経営者にとって大きなメリットがあります。

助成金は多くの種類が存在し、また毎年のように内容が変更になっていますが、受給要件の中に就業規則の提出が必須であるケースがほとんどです。

そのため、就業規則がない、あるいはあっても内容が伴っていないがために受給できないというケースも存在します。

このようなことを防ぐためにも、就業規則は時代の流れにあわせて常に見直すことも、同時に重要であると言えるでしょう。

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