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高額療養費制度が段階的に変わります~2026年8月施行の見直し内容と、中小企業が知っておきたい実務対応~

[ニュース] 2026.11.02

はじめに

医療費が高額になった場合に自己負担額を一定の上限に抑える「高額療養費制度」について、2025年8月から2027年8月にかけて段階的な見直しが行われています。2026年8月からはその第2段階がスタートしており、所得区分の細分化や70歳以上の方の外来特例の変更が実施されました。従業員から保険証や医療費に関する質問を受ける機会が多い人事労務担当者として、制度の概要と実務上の対応ポイントを押さえておきましょう。

見直しの全体スケジュール

今回の見直しは一度に実施されるものではなく、①2025年8月(各所得区分の自己負担限度額の定率引き上げ)、②2026年8月(所得区分の細分化に伴う引き上げ・70歳以上の外来特例の見直し)、③2027年8月(細分化に伴う引き上げの第2段階)という3段階で進められます。現在は②の段階にあたり、2027年8月にはさらに上限額が引き上げられる予定です。従業員への説明は「今後も段階的に変わる制度である」ことを前提に行うと誤解を防げます。

70歳未満(現役世代)の変更内容

70歳未満の方の自己負担限度額は、年収(標準報酬月額等)に応じた所得区分がこれまでより細かく分けられ、高所得層を中心に上限額が引き上げられています。たとえば年収約770万~950万円の区分は月額188,400円+(医療費-628,000円)×1%(多数回該当104,700円)のまま据え置かれていますが、年収約1,040万~1,160万円の区分では月額220,200円+(医療費-734,000円)×1%(多数回該当122,400円)となるなど、所得帯によって引き上げ幅が異なります。一方、年収約370万円以下の区分や住民税非課税世帯の限度額は、これまでと同水準に維持されています。

70歳以上の方の外来特例の変更

70歳以上の方を対象とした外来特例についても見直しが行われました。住民税非課税世帯のうち所得が一定以下の方は月額8,000円のまま据え置かれますが、その他の住民税非課税世帯は月額8,000円から13,000円に、窓口負担1割の一般区分は月額18,000円から20,000円(年間上限144,000円から160,000円)に、窓口負担2割の一般区分は月額18,000円から28,000円(年間上限144,000円から224,000円)に、それぞれ引き上げられています。

中小企業の人事労務担当者が押さえておきたい対応ポイント

第一に、従業員から「限度額適用認定証」の申請方法や、マイナ保険証(マイナポータル)での限度額情報の確認方法について質問を受けた際に案内できるよう、健康保険組合や協会けんぽからの通知内容を確認しておきましょう。第二に、入院や手術を予定している従業員には、事前に限度額適用認定証の交付を受けることで窓口負担を軽減できる旨を周知すると親切です。第三に、高額療養費と傷病手当金・医療費控除は別制度であるため、混同した相談があった場合は切り分けて説明できるよう準備しておくと安心です。最後に、2027年8月にはさらなる見直しが予定されているため、年1回程度、従業員向けの社内周知を更新することをおすすめします。

おわりに

高額療養費制度の見直しは、企業が直接手続きを行うものではありませんが、従業員の生活や安心感に直結する制度であるため、人事労務担当者が概要を把握し、適切に案内できる体制を整えておくことが重要です。制度の詳細や個別の該当区分について不明な点がございましたら、お気軽に弊所までご連絡ください。

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