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賃上げ促進税制、令和8年度改正のポイント~中小企業の教育訓練費上乗せが廃止、最新の控除率を確認~
[ニュース] 2026.10.26
はじめに
中小企業における賃上げを後押しする「賃上げ促進税制」は、従業員の給与等支給額を前年度より増やした企業に対して、増加額の一部を法人税(個人事業主の場合は所得税)から控除できる制度です。令和8年度税制改正により、令和8年4月1日以後に開始する事業年度から制度内容が一部見直されます。賃上げと税負担の両面に関わる制度ですので、今のうちに最新の内容を確認しておきましょう。
改正の全体像
今回の改正では、企業規模ごとに取り扱いが分かれます。大企業向けの措置は令和8年3月31日までに開始する事業年度で終了(適用期限が前倒し)し、中堅企業向けは適用要件(給与総額の増加率など)が引き上げられたうえで、令和9年3月31日までに開始する事業年度をもって終了予定です。一方、中小企業向けの制度自体は継続されますが、教育訓練費の増加に応じた上乗せ措置(従来は控除率+10%)は廃止される見込みです。
中小企業向け控除率の最新ルール
中小企業(資本金1億円以下の法人や、常時使用する従業員数が1,000人以下の個人事業主など)は、継続雇用者だけでなく雇用者全体の給与等支給額を基準に判定できる点が大きな特徴です。前年度比で給与総額が1.5%以上増加した場合は控除率15%、2.5%以上増加した場合は控除率30%となります。さらに、子育て支援に関する認定(くるみん・くるみんプラス等)または女性活躍推進に関する認定(えるぼし等)のいずれかを取得している場合は5%が上乗せされ、最大控除率は35%となります(教育訓練費上乗せ廃止後の数値)。控除額が法人税額(所得税額)の20%を超える場合は、超えた部分を翌年度以降最長5年間繰り越すことができます。
実務上の注意点
この制度は事前申請が不要で、確定申告の際に所定の明細書を添付するだけで適用を受けられる点が使いやすいポイントです。ただし、給与総額(給与等支給額)の算定方法には細かいルールがあり、役員報酬の扱いなど専門的な判断を要する部分もあります。また、業務改善助成金やキャリアアップ助成金など他の助成金と併用する場合、助成金で賃金に充てた部分の取り扱いに注意が必要です。賃上げの実施を検討する際は、顧問税理士と連携しつつ、就業規則や賃金規程の整備状況も合わせて確認しておくと安心です。
まとめ
賃上げ促進税制は、賃上げに積極的に取り組む中小企業にとって心強い制度ですが、令和8年度改正で教育訓練費の上乗せ措置が廃止されるなど、内容が変わりつつあります。来年度以降の賃上げ計画や、賃金規程・就業規則の見直しについてご不明な点がございましたら、弊所までお気軽にご連絡ください。







