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パート従業員の社会保険加入、費用負担をどう抑える?~「短時間労働者労働時間延長支援コース」活用のすすめ~
[ニュース] 2026.10.23
はじめに
2026年10月1日から、パート・アルバイトなどの短時間労働者に対する社会保険の加入要件が見直され、「月額賃金8.8万円以上」という収入要件が撤廃されました。これにより、週20時間以上働くパート従業員は、収入にかかわらず社会保険の加入対象となるケースが増えています。社会保険に加入すると、事業主にはおおむね給与の15%程度の追加負担が生じるため、「人手不足の中でどう費用を抑えながら制度に対応すればよいか」というご相談が増えています。今回は、この負担を軽減できる「キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長支援コース)」をご紹介します。
制度の内容~支給額と主な要件
本コースは、有期雇用等の短時間労働者を新たに社会保険(厚生年金・健康保険)に加入させ、週の所定労働時間を延長するなどの取り組みを行った事業主に支給される助成金です。支給額は企業規模によって異なり、常時雇用30人以下の小規模企業では1年目50万円・2年目25万円(最大75万円)、それ以外の中小企業では1年目40万円・2年目20万円(最大60万円)となっています。1年目は週の所定労働時間を5時間以上延長することが基本要件ですが、延長が2〜5時間未満にとどまる場合でも、基本給を一定率(延長時間が短いほど高い増額率、たとえば2〜3時間未満の延長では15%以上)増額すれば対象になります。2年目は、さらなる時間延長・基本給5%以上の増額・昇給や賞与制度の新設のいずれかに取り組むことで支給対象となります。支給申請の人数に上限はありませんので、該当する従業員が多い事業所ほど活用の効果が大きくなります。
「社会保険適用時処遇改善コース」との違い
「年収の壁」対策として2023年10月に創設された「社会保険適用時処遇改善コース(手当支給や労働時間延長への助成)」は、2026年3月末で新規の対象期間が終了しました。2026年4月以降に新たに社会保険へ加入させる取り組みについては、今回ご紹介する「短時間労働者労働時間延長支援コース」へ切り替えて活用することになります。旧コースで計画届をすでに提出している事業主は、改めて計画届を出し直す必要はありませんが、労働時間延長メニューでまだ支給申請を行っていない対象者については、新コースへの切り替え申請が可能です。制度の変わり目であるため、どちらの取り扱いになるのか判断に迷うケースが少なくありません。
中小企業が今すぐ取り組むべきこと
まず、2026年10月の要件見直しにより新たに社会保険加入の対象となるパート従業員を洗い出し、加入時期を確認しましょう。次に、本コースの活用を検討する場合は、社会保険への加入日の前日までに「キャリアアップ計画書」を労働局またはハローワークへ提出する必要があります。提出が1日でも遅れると、その取り組みは原則として助成の対象外となりますので、スケジュール管理が重要です。あわせて、労働時間や社会保険の加入状況を明記した雇用契約書・労働条件通知書の整備、賃金台帳や出勤簿など申請時に必要となる書類の準備も進めておくと安心です。
まとめ
社会保険の適用拡大は、企業にとって負担増と受け止められがちですが、今回ご紹介した助成金を上手に活用すれば、従業員の処遇改善と企業負担の軽減を両立させることができます。申請要件や必要書類は細かく定められており、計画書の提出タイミングを誤ると助成を受けられなくなる点にも注意が必要です。該当する従業員がいらっしゃる場合や、制度の切り替えについてご不明な点がございましたら、ぜひ弊所までご連絡ください。







