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「治療と仕事の両立支援」が2026年4月から努力義務に~中小企業が今から整えるべき社内体制~

[ニュース] 2026.09.29

はじめに

2026年4月、改正労働施策総合推進法の施行により、「治療と仕事の両立支援」への取り組みが事業主の努力義務となります。がんや脳卒中、心疾患、難病などの治療を続けながら働く従業員を支援する体制づくりを、企業規模を問わず求める内容です。「大企業の話では」と思われがちですが、実は従業員数の少ない中小企業ほど、一人の離職が事業運営に与える影響は大きく、早めの準備が経営リスクの軽減に直結します。今回は、この改正の内容と、ありき社会保険労務士事務所がお勧めする実務対応のポイントをご紹介します。

制度の背景~なぜ今、両立支援が求められるのか

医療技術の進歩により、がんなどの疾病は「治らない病」から「付き合いながら働く病」へと変わりつつあります。厚生労働省の調査でも、疾病を理由に転職や退職を考えた労働者は少なくなく、通院・服薬(薬を飲み続けること)や体調の波を抱えながら勤務を続けられる職場環境づくりが社会的な課題となっています。今回の改正は、こうした背景を踏まえ、事業主に対して「治療と仕事の両立支援に関する制度の整備」を努力義務として求めるものです。努力義務とは、罰則を伴う強制ではないものの、行政指導や助言の対象となり得る、実質的な対応が期待される規定を指します。

企業に求められる主な取り組み

厚生労働省が示す方向性では、次のような取り組みが想定されています。第一に、両立支援に関する事業所内での相談体制の整備(誰に相談すればよいかを明確にすること)。第二に、通院時間の確保や勤務時間の柔軟化(時差出勤、時間単位の有給休暇、短時間勤務制度など)といった社内ルールの整備。第三に、主治医や産業医との情報共有の仕組みづくりです。厚生労働省は「両立支援コーディネーター」の活用や、企業向けの支援ツール・書式(両立支援プランの様式など)も公開しており、これらを活用することで、ゼロから制度を作る負担を軽減できます。

中小企業が今から準備すべきこと

就業規則の整備が第一歩です。私傷病による休職・復職の規定が曖昧な企業は、この機会に休職期間の上限、復職の判断基準、時短勤務や配置転換の可否などを明文化しておくことをお勧めします。次に、相談窓口の明確化です。人事担当者や社労士など、相談先を従業員に周知するだけでも、従業員の安心感は大きく変わります。さらに、管理職向けの意識づけも重要です。両立支援は本人だけでなく、上司・同僚の理解があって初めて機能する制度ですので、簡単な社内研修や情報共有の場を設けることも効果的です。助成金の活用も視野に入れましょう。両立支援に関連する助成コースが設けられる場合があり、制度整備と合わせて活用できないか確認することをお勧めします。

まとめ

「治療と仕事の両立支援」の努力義務化は、2026年4月の施行まで時間があるようで、就業規則の見直しや社内体制の構築には一定の準備期間が必要です。従業員が安心して長く働き続けられる職場は、採用力・定着率の向上にもつながります。制度設計や就業規則の見直しについてご不明な点がございましたら、ぜひ弊所までご連絡ください。

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