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2026年9月から労基署の「残業指導」が変更に~

[ニュース] 2026.09.18

『月45時間』一律指導から健康福祉確保措置の確認へ~

はじめに

厚生労働省は2026年9月1日から、時間外労働(残業)に関する労働基準監督署(労基署)の相談・支援や監督指導の運用を見直しました。これまでは、36協定(時間外労働・休日労働に関する労使協定)の特別条項で定めた上限のうち「月45時間」を超える設定について、その時間数の大きさだけに着目して一律に厳しく指導する傾向がありました。しかし今回の見直しにより、単純な時間数の比較ではなく、各事業所の実態や労働者の健康確保の取り組み状況を踏まえた、よりきめ細かな指導へと運用が変わります。中小企業の労務管理にも直結する内容ですので、今回のブログでは変更のポイントと実務対応をわかりやすく解説します。

何が変わったのか

36協定の特別条項では、臨時的に限度時間(月45時間・年360時間)を超えて時間外労働をさせる場合、労使であらかじめ「健康福祉確保措置」を定めておく必要があります。従来の監督指導では、この上限時間の設定自体が高い水準であれば、実際の運用や健康確保措置の実施状況にかかわらず、時間数の多さを理由に是正勧告の対象となりやすい面がありました。見直し後は、届け出られた上限時間の大小だけで一律に判断するのではなく、健康福祉確保措置が協定どおりに実施されているか、長時間労働者に対するフォローが行われているかといった「実態」を重視する方針に転換します。あわせて、企業からの相談を受け付ける支援体制も拡充される予定です。

「健康福祉確保措置」とは

健康福祉確保措置とは、36協定の特別条項を締結する際に、限度時間を超えて労働させる労働者の健康・福祉を守るために労使で取り決める措置のことです。厚生労働省の様式では、次のような項目の中から一つ以上(複数選択が望ましいとされています)を選び、協定書に明記する必要があります。

・医師による面接指導の実施

・深夜業(22時〜5時)の回数制限

・勤務間インターバル(休息時間)の確保

・代償休日・特別な休暇の付与

・健康診断の実施

・年次有給休暇のまとまった取得の促進

・心とからだの健康相談窓口の設置

重要なのは「協定書に記載して終わり」ではなく、実際にこれらの措置を運用し、記録を残しているかどうかです。今回の見直しにより、労基署の調査でもこの「運用実態」がより重点的に確認されるようになります。

中小企業が今すべきこと

・自社の36協定の特別条項に記載している健康福祉確保措置の内容を再確認する

・選択した措置(面接指導・休暇付与・相談窓口など)が実際に運用されているか、実施記録が残っているかを点検する

・長時間労働者に対する医師の面接指導の基準(月80時間超の時間外・休日労働等)を満たす従業員がいないか、勤怠データを定期的に確認する

・形だけの協定になっていないか、次回の36協定更新時に内容を見直す

「残業時間さえ抑えていれば大丈夫」という考え方から、「協定で定めた健康確保の取り組みをきちんと実行しているか」が問われる時代への転換といえます。特に慢性的に残業が発生しやすい部署がある企業では、この機会に運用体制を点検することをおすすめします。

まとめ

今回の監督指導の見直しは、時間外労働の絶対量だけでなく、労働者の健康を守るための実質的な取り組みを企業に求めるものです。36協定の見直しや、健康福祉確保措置の運用体制の整備でお困りの際は、ぜひ弊所までご相談ください。

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